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【労働2.0//中田敦彦】(3/3)才能の見つけ方×掛け算の魔力

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2月を迎えて井戸の底。普段は小説を書いてます。趣味は映画鑑賞とボードゲームと飲酒です。最近、YouTubeを始めました。

才能の見つけ方

 

俺には個性なんてないし、ましてや才能もない。

 

 しかし「真に均質的な人間たち」なんてものもまた、存在しない。
 せっかく中田敦彦の「労働2.0」をご紹介しているのだから、例によって本書から見出しを一つ、引用しよう。

・「そこそこ」の個性が組み合わせると、「逸材」に化ける

 ホリエモンの本にも似たようなことが書いてあった。僕はそれについて友人と語るとき「個性の掛け算」というフレーズを使う。具体的な例と詳細な説明は本書に任せて、とりあえず簡単に要約しよう。

 そこそこの個性とは「100人に1人の個性」のことだ。つまり、似たような個性を持つ人間が日本中に100万人いるということだ。「才能」なんて仰々しく言うから「俺には何もない」と思い込みがちだが、「同じことをしてる人間が100万人くらいいる趣味(個性)」と言えば、いくつか頭に浮かぶものがあるのではないだろうか。

 それを、掛け算するのである。

 

俺にはそこそこの個性が3つある。

 

 それを掛け算した場合。

 つまり、100分の1 × 100分の1 × 100分の1。

 結果は100万分の1。日本に100人しかいない「逸材」の誕生である。

 例を挙げよう。
 ラーメンと競馬とYouTubeが好きな都内在住のHさん。(僕の友人の一人である) どの趣味も「そこそこ」である。ラーメンでブログ一個作れるほど詳しい訳でもないし、競馬で食っていけるほどスゴイ訳でもない。YouTuberなんて何していいかも分からない。では、その三つを掛け算してみよう。
「給料出たから競馬につっこむ。予想をあてることができたら、俺が知ってる穴場ラーメン屋さんでちょっと贅沢する!」
 という動画をYouTubeに上げることができる。平均的な手取りしかないサラリーマンがお金の増減に一喜一憂しながら必死に予想して、勝ったら「飯テロ系」ラーメンの食事風景を見せることができる。競馬の達人でないからこそ、ラーメンの達人でないからこそ、描かれる奮闘と落胆とご褒美は全て等身大。観客はそこに共感を感じて楽しむことができるかもしれない。みたいな。

 これが、本書によって語られる「個性(才能)の見つけ方」である。

「友情2.0」という提案

 僕は、この第3章が一番好きだ。

 散々「労働」について書いたけど、この本から僕が読み取ったものの中で一番ハイライトしたいのは、実は「友情」についてなのである。

 先ほど「全ての仕事はやりたい人とできる人の組み合わせでできてる」みたいなことを書いた。その「仕事」を「友情」や「遊び」に置き換えてみたらどうだろう。何も大袈裟なことを言うつもりはない。「マックを食べたい人」と「食べれる人(空腹ってこと)」の組み合わせで、僕たちはマックに行く。「カラオケに行きたい人」と「歌える人」の組み合わせで、彼らはカラオケに行く。

(余談になるが、僕は「歌えない人」だ。なぜなら歌うのが好きじゃないから。いわば、音痴。だからこそ言えるのだが、ここで言う「歌える人」とは「歌唱力がある人」という意味ではなく「歌うのが好きな人」という意味だ)

 では、少しだけ大袈裟なことを言ってみることにしよう。

 本書のタイトルに倣って「友情2.0」とでも言おうか。

 では「友情1.0」とは何か。「何もしたいことがない人」が集まって何もせず時間を潰す友人関係が、きっとそれに相当する。無論、そう言う遊び方を「向上心がない、ばかだ」と言うつもりはない。実際、僕だって今でも意味もなく集まってはぼんやりダベったりする時間が大好きだ。ただ、それだけで終わるのは「ばか」ってより「損」だって思う。

 例えば深夜のファミレスで僕が「バンドしたいんだよね」と呟くとする。友人が「え、じゃあ俺ギター練習するわ」と言うとする。そして仮に友人が本当にギターを練習してくれたら。

 僕:バンドを「やりたい人」

 友人:ギターが「できる人」

 そこでバンドが生まれる。カバーだろうがコピーバンドだろうが、僕の(音痴な)歌声って事実だけで、既にオンリーワンである。なぜなら僕の声なんて誰も真似しないから。

 これが、僕の考える有意義且つ創造的な「友情2.0」である。
 無論、僕の(音痴な)歌声では需要はないだろうが、仮にあなたの声が好きという小規模な需要が発生したら、そこにコンテンツを供給すれば、これがすなわち「仕事」である。(小規模な需要さえ発生しないよ、と卑屈になっているなら、とりあえずあなたの母ちゃんと父ちゃんに聞かせればいい。あなたが実家を離れて久しく家に帰ってないなら、彼らにインターネット越しに聞かせて「お小遣いちょうだいよ~」と言えば、需要と供給。それも立派な仕事である)

 それで晴れて3000円くらい稼げたら、とりあえずマックで豪遊できる。

 有意義でも創造的でもない時給1000円のバイトを3時間する方が手っ取り早いし効率的だし安定しているかもしれない。

 だけど、その3000円で食べるビッグマックはきっとうまい

(余談になるが、先ほど引用した個性の見つけ方の一つである「弱点は裏返せ!」をここで適用するなら、僕は音痴という弱点があるが、その音痴がめっちゃ真剣に歌ってる姿ってなんか面白そうじゃない? というのが、本書において語られる個性の見つけ方である。実際、テレビで音痴な芸人が歌ってる番組を見たことがある。アメトークの運動神経悪い芸人も、その好例だ)

是非、伝えたいこと。

 単刀直入に言う。

 上で書いた「個性の掛け算」を、友人とするのだ。

 そこそこの個性とそこそこの個性をコラボして、逸材化したチームを作るのだ。

 実例を挙げよう。
 とある男がいた。彼は文章を書くのが好きだった。
 そこそこの個性である。
 彼には一人の友人がいた。一介のサラリーマンだが、いろいろな知識を持っている。
 そこそこの個性だ。

 この二人の個性を掛け算することで出来上がったのが、EUROPA BOOKSというブログである。正直、自分から「逸材」と呼ぶのはまだ少しだけ恥ずかしいが、それでも一つだけ確かに言えることがある。僕は今メチャクチャ楽しい。(楽しくもなかったら、こんなに長々と書けないだろう)

 楽しいのは良いことだ。

 これを読んでいるあなたも、友人と喫茶店に行き「やりたいこと」と「できること」をひたすらリストアップしてブレインストーミングしてみて欲しい。そして、あなたの持ってる「そこそこの個性」とあなたの友人が持ってる「そこそこの個性」が偶然バッチリはまったら、「逸材化されたチーム」が誕生である。それが「仕事」になったら、つまり少しでも利益を生み出せたら、それこそが「労働2.0」だし、仮に利益を生み出せなくても、ただ時間を潰すだけの「友情1.0」より遥かに楽しい「友情2.0」が待っている。

 

でもちょっと待って。それじゃ食べていけないでしょ?

 

 ごもっとも。

 それに関するノウハウも、中田敦彦が本書で語っている。

 要は「一つの視点に縛られるな」ということだ。

 少々現実的でない話のように聞こえるかもしれないが、とりあえず書く。

 一回の活動で3000円を稼げたなら、それを1か月に100回すれば月収30万円である。

 1日33回やればいい。

 

いや、平日は仕事とかあるし無理だろ。

 

無理って言うから無理なんだよ! あつくなれよ!

 あなたは今、1週間に何時間くらい働いているだろう。

 8時半から17時半を月曜日から金曜日まで。昼休み1時間、残業も休日出勤もなし。

 なかなか良い環境だが、それでも1週間に40時間は使う。

 ここに通勤時間が加わるし、もっと言うなら平日の朝にかかる身支度の時間や、帰宅してからスーツを脱いでシャワーを浴びる時間も加えると、実質的な拘束時間はもっと長くなるが、とりあえず、ここは「1週間に40時間」という数字だけ使う。

 さて、いささか唐突であるが、ここでもしあなたが「来週から80時間働いてください」と言われたらどうする? 多分、体力的にも精神的にもしんどい。

 だけど、僕は1週間に126時間働く方法を知ってる。

 これも単刀直入に言おう。

 好きなことを仕事にすればいいのだ。

「ゲームやり過ぎちゃって寝不足」

「映画見てたら日曜日が終わってた」

 そんな経験、恐らくあなたにもあるだろう。そう、好きなことだったら無限にできる。というか、無限にできることこそが「あなたの本当に好きなこと」「あなたの絶対的な個性」なのだ。僕はそう思う。

 だから、「好きなこと」と「会社の拘束時間」の狭間でストレスを感じながら燻っているより、いかに「好きなこと」でお金を回収するかを考えるほうが遙かに有意義。そして一旦、126時間働ける環境(=寝る時間以外は好きなことをして、それによって毎月食べていける程度のお金を稼げる状態)を構築できたら、後はもう睡眠している時間以外、ずっと好きなことをしているだけである。40時間のおよそ3倍。平均的な時給3分の1しか価値を生み出せなくても、まだおつりがでる計算だ。それに、やりたくもない事務の仕事に比べて、こちらは心底好きなことをやってる身分だ。建設的なアイデアなど、いくらでも浮かべられるだろう。絶対楽しい。

 

いや、無理だろ。

 

無理って言うから無理なんだよ! あつくなれよ!

 あなたは世界の全てを知り尽くした人間なのか。

 答えがノーなら、ひたすら情報を集めて、あれこれ頭をひねり続けていればいい。無理なことなんてない。限りなく不可能そうに見えることがあるだけだ。事実、僕は僕の友人からいろんな話を聞いて「なるほど、そんなやり方もあるのか」と目から鱗が落ちるような気分だった。
 もちろん、今からYouTuberを目指してHIKAKINになれ、と言っている訳ではない。というか、それはまだ頭をひねってすらいない。先述した「個性の掛け算」であなたがオリジナリティを出さなければ、HIKAKINどころかデメキンにもなれない。

 ここでも「一つの視点に縛られない」という考え方がものすごく重要である。 

 YouTubeで有名になるためにするべきことは、YouTubeではない。

 いやもちろんYouTubeも必要なんだけど、このご時世、よほどの天才的な技術や感性がない限り(つまり垂直方向に掘り続けられる才能がない限り)、コンテンツの水平展開なくして食っていくことはできないと思う。

 また、打てる球はできるだけ多い方がいい。僕は詳しくないのだけど、YouTubeをやりつつ動画の配信をやってもいい。ブログを書いても良い。やれることは全部やるべきだ。中田敦彦も本書にて「二足、三足の草鞋を履くべき」と言っている。

 好きなことを仕事にする。そして、一つに絞る必要なんてない。
 それについては、いずれまた語ろうと思う。

 とりあえず、126時間(24時間から睡眠時間を差し引いた数字×7日)働ける、って考えたら、なんか食って行けそうな気持ちになってくるでしょう。僕はなってる。

 もちろん、それで「じゃあ明日から仕事やめるわ」とはならない。

 無計画も、使い方を誤ればただのアホウである。

 とりあえず、好きなことで食べていくためには、会社の仕事は「副業」と割り切るくらいの覚悟で(無論、人様に迷惑をかけるレベルの手抜きは論外である)、まずは環境を構築するところから始めるのはいかがだろう。かく言う僕も、そのための環境を構築するためにいろいろやってみてる最中である。

一応、本の紹介を終わらせておこう。

●第4章 プロ崇拝などナンセンスだ! “Just Do It.”のすすめ

 この章は、いわば「励まし」だ。
 才能がないと尻込みする人間に対する熱烈な、それでいてロジカルなエールだ。中田敦彦が思考し、実践し、体験によって得たノウハウでもある。

 

●第5章 時代を読み、利益を生み出せ! 中田式・アイデア発想法。

 要約すると、前の章の延長である。
 アイデア、という軸で語り直された中田敦彦のエールである。

 以上。

 後は、こういう種類の本によくある「激励のためのあとがき」が続く。
 あとがきに付けられた副題はズバリ「戦士が勇者になる日」。
 RPGが好きな人には是非読んで欲しい内容である。
 これにて本書は幕を閉じる。

 さて。
 EUROPA BOOKSの一発目の記事。
 せっかくだからあとがきも書いてしまおう。しかし、激励を伴った素晴らしいあとがきなんて書かない。ただつらつらと思いのうちを書き連ねるタイプのあとがきである。

おわりに

 僕はしがない作家だ。小説を書くことだけが生き甲斐だった。

 だけど、小説を書く時間を削ってまで記事を書いていくと決めた理由はいくつかある。

 その内の一つ、
 一番バカっぽく聞こえるけど、
 僕にとって一番大事なテーマを敢えてここに書いておこう。

 僕は世界を変えたい。

 だけど、僕一人は何の影響力もないただの男だ。
 では、どうすれば世界を変えられるか。僕は割と真剣に考えた。
 その結果僕が至った結論は、意外と簡単なものだった。

 誰か一人の世界を変えれば良い。

 世界、なんてふわっとした言葉を使うから妙に難しくなるのだ。世界を変えるとは、つまり人間を変えるということ。その多寡は別に関係ない。だったら、誰か一人の世界を熱烈に変えることができたら、僕は世界を変えられたと言っても過言ではないかもしれない。それに、僕の記事で変わってくれた誰かが、例えば少しだけ世界を良くしてくれるかもしれない、という他力本願。だけど、それが連鎖していけば、「過言ではないかもしれない。」なんて照れ隠しの断りをいれなくても済むかもしれない。

 だから、このブログでは「本」に焦点をあてて、あれこれ書いていこうと思う。
 もしこの記事を読んで少しでも何か感じるものがあったら、これからの僕たちを是非応援してほしい。すっかり使い古されたニュアンス以外のニュアンスで、僕と友人が作ったこのブログを「フォロー」して欲しい。記事を拡散してほしい。Twitterのアカウントにたくさん話しかけてほしい。

 そしていつか、あなたの世界が本当の意味で「少し変わった」ときに、このブログはある種の本として完成する。あなたの世界を変えた、あなただけの本。それがEUROPA BOOKである。そんな妄想をしながら、僕は今日もあれこれ頭をひねっている。

ピントがあってない。まるで「2月」を迎えるまでの僕の人生である。

 

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2月を迎えて井戸の底。普段は小説を書いてます。趣味は映画鑑賞とボードゲームと飲酒です。最近、YouTubeを始めました。

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